2016.07.12 (火)   K2Couple No.0550 

雌阿寒岳 
めあかんだけ(北海道)
1,499m
活火山の雌阿寒山頂は刺激的

コース最大標高差 : 860
コース累積標高差(+) : 1,020
コース累積標高差(-) : 1,020
コース沿面距離 : 11.0 km
行動時間 : 6'55"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  噴火口外縁に到達
 雌阿寒温泉公共 6:15 ... 6:20 雌阿寒岳登山口 ... 7:45 五合目 7:50 ... 9:10 雌阿寒岳 ... 9:40 阿寒富士分岐 【L】 9:55 ...
 10:10 阿寒富士分岐 ... 10:30 五合目 ... 11:55 オンネトーキャンプ場 12:00 ... 12:15 雌阿寒温泉分岐 ... 13:10 雌阿寒温泉公共
 雌阿寒温泉公共 13:45 = 16:30 清里町ホテル緑清荘(泊)


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである(経緯度線は20秒間隔)
                                雌阿寒岳の場所


 阿寒には雄阿寒と雌阿寒があって、高さは後者の方が上だが、眺めて立派なのは前者である。
 雌阿寒は全体がなだらかで、湖畔から離れているが、雄阿寒は力強い端正な円錐形で、ただちに湖面に影を落としている。
 両阿寒岳のうち、この雄健なドームの方に「雄」を与えたのは、古い住民の正当な感覚であった。
 阿寒湖に活を入れているのは、この雄阿寒岳である。
 雌阿寒岳は活火山で、私が昭和三十四年(1959)の夏訪ねた時はちょうど噴火が始まっていて、登山禁止になっていた。
 両阿寒のうち登り易いのはこの雌阿寒の方で、距離が長い代わりになだらかで、散策的登山ができる。
 それに反し雄阿寒の方は、高さこそ劣れ、急峻なために登山者は稀である。
                                         
深田久弥『日本百名山』より抜粋


きよさと温泉 ホテル緑清荘 (¥9,500)

昨夜は7時過ぎに雌阿寒温泉に到着した。
夜遊びしている人に駐車場を尋ねて、野中温泉の上の公共駐車場を教えてもらった。
公共駐車場には綺麗なトイレがあり、快適な夜を過ごした。

am4時過ぎに目を覚ますと、早々と出掛ける団体partyがあった。minaraitai
山はガスガスなので、少し様子を見るふりしてだらける (^^;

今朝の気温は12℃。
北海道に来て以来、毎朝晩涼しい日が続いています。

 雌阿寒温泉公共駐車場

駐車場入り口にある地図で現在地を確認し、少し車道を戻って登山口に向かいます。
予定では、時計廻りに周回してオンネトーに下りますね。

小さな川には白濁した水が流れ、ちょっぴり硫黄の匂いが漂っている。
車道から少し入った所で、入林届けに記入。
火山災害、ヒグマ、車上狙いに注意喚起看板あり  全部無理だ~。

人懐っこいワンちゃんとお兄さんが追い越して行きました。

 温泉コース登山口

 最初はボチボチです           ▲ やがて根っこの登りになる
ゴゼンタチバナ シラタマノキ コケモモ

足元にはゴゼンタチバナがわんさか咲いています。
根っこの段々の道になって間もなく、一合目の表示。
ずっとエゾマツの樹林の中なので、展望はありません。

二合目を過ぎてもあまり変化はなく。
三合目までの間にイソツツジの木が沢山現れるのですが、花はすでに終わっていて茶色になっていた。

 根っこが踏まれて痛々しい                ▲ 二合目
 メアカンフスマ            ▲ ハイマツ帯で展望開ける

三合目辺りから高い木はなくなり、ハイマツ帯になる。
前方が明るく開けガレ沢を渡ってこれから登る山が見えてくると、四合目の標識があった。
合目毎の標柱は、何気に励みになりますね (^^

大きな石の隙間にメアカンフスマとイワブクロが咲いていて嬉しいよ
朝早く登って行ったpartyが下りてきました。

 四合目で一気に開ける
イワブクロ メアカンフスマ イソツツジ
 イワブクロがいっぱい咲いて         ▲ 朝の太陽が当たり始め (五合目)

五合目になると、遥かな雲の上にまだ雪の残っている山が並んでいます。
方角的にも山の並びからも大雪の山々だろう。
ドリンク休憩を挟む。

北にはフップシ岳が裾野に雲を絡めて、端正な山容が見て取れます。
オンネトーも見えてきたぞ。

この辺りのイソツツジは、まだ綺麗に咲いていますね。

 眼下にオンネトーも見えてきたし
                             ▲ 北海道の屋根 石狩山地
                                  ▲ 大雪山
 足どりも心も軽く       ▲ 雲を突き抜けてフップシ岳 (六合目)
                             ▲ さすが深田百名山の予感

七合目まで登ればハイマツは地を這うようになり、火山性の岩礫が折り重なる高山の雰囲気が出てくる。
見上げれば、昨日までのウップンを晴らすような青空が広がっている

下界のあの分厚い雲は、一向に動く気配ないけど。
変化に富んだルートですので、全く疲れを感じることはありません。

 岩礫をジリジリ登るよ              ▲ 七合目をスルー
 意外に歩きやすいし         ▲ メアカンフスマ と メアカンキンバイ
 大きな岩もあり          ▲ メアカンフスマも元気いっぱい
 お馴染みメアカンキンバイ            ▲ 最後の登りを楽しむ

八合目を過ぎて好天に感謝。
素晴らしい眺めを前に、おっきな岩に腰掛けて展望休憩にいたします。
すんばらしい展望に大満足です (^^

メアカンフスマとメアカンキンバイが、コラボちっくに咲いていました。
いずれも雌阿寒を冠した花名。

 八合目を振り返ればフップシ岳

シュ~っという噴気音が聞こえてくると、大きな噴火口と赤沼が見える。
火口壁から勢いよく蒸気が噴出していました。

想像とは全く違い、荒々しく且つどっしりとした噴火口。
もっとおとなしい感じの火山かと思ってた。
♀阿寒だし (^^;
火口壁に沿って、何羽ものイワツバメが飛び交っていました。

雌阿寒岳の現在の噴火警戒レベルは 『1』。
神さま仏さま no bomb

 噴火口外縁を歩く
                           ボンマチネシリ噴火口の底に赤沼
                      山頂に王手を掛けるおいちゃん (中央に阿寒富士)
                ▲ 雌阿寒岳北東の中マチネシリ火口の噴煙と 阿寒湖及び雄阿寒岳

火口を取り巻く道を登って行きます。
左側(北東)にも、激しく噴煙を上げる火口がありました。
中マチネシリ火口というらしい。

その奥には、山頂だけ雲の上に出した雄阿寒岳が見えます。
雌阿寒岳は、活火山の息吹きを肌で感じる山でした。

山頂は写真を撮ってスル~します。(臆病なので逃げの体勢 ^^;)
殆んどの方は雌阿寒温泉からピストンのようで、オンネトー側にはめっきり人影がなくなりました。

 山頂まで外縁の砂礫を行く
 砂礫地に咲くメアカンフスマ               ▲ イエ~イ
 怖いけど気になるし             ▲ 早く引き上げようよ

緩やかな火口縁を下って行くと、正面に阿寒富士が聳えています。
噴煙のベールを透かして、柔らかく霞んだ富士山ですよ。

こちら側の火口底には青沼が見えます。
福島一切経山から覗く 魔女の瞳 を思い出しますね。

そのそばの噴気口から、硫黄臭のきつい噴煙が猛烈に上がっている。
阿寒富士側に流れる噴煙、女性がハンカチで鼻を押さえながら登ってきた。

 火口底の青沼と阿寒富士              ▲ 噴気口のアップ

雌阿寒温泉からの登りは、ハイマツに岩礫のアルペンちっくな道でしたが。
こちらはザレて歩きにくい砂礫の道です。
下る分には全く問題なく、かえって楽チンでしたけど。

運が良いことに私たちが下るときは噴煙の流れが変わり、悪臭も全然なく阿寒富士もすっきり見えていましたよ。
硫黄臭の大好きなおいちゃんは、残念がってたけど。

 阿寒富士とのコルに下る          ▲ 噴煙がよそに行ってくれた

阿寒富士に登るジグザグ道がはっきり見えました。
私たちは浅間の前掛山に登っているので、あれと同じだろうと意見一致。
登ったことにしてパス。

阿寒富士分岐を下った辺りの岩で、簡単なコンビニランチにしますよ。
斜面に咲いている女王コマクサをおかずにしました (^^;
メアカンフスマもおかずにしようぜ。

上も下も右も左も縦横180゜の展望で、気持ちよいランチタイムだ。

 ヒメイワタデとメアカンフスマ
 コマクサにご挨拶       ▲ いかにもコマクサが好きそうな砂礫地
 登った気になった阿寒富士よさようなら       ▲ 気分爽快、オンネトーまで飛んでけ~

七合目からは樹林帯に潜り、展望はお終いですね。

こちらの登山道は大きな段差があったりして、少し歩きにくい印象。
四合目からはジンヨウイチヤクソウとゴゼンタチバナのオンパレードです。

また登りでは見られなかったコイチヨウランやエゾレイジンソウなども見られて楽しかったです。
一合目から下は、既に花の終わったフッキソウの道でした。

 五合目
 段差大きく歩きにくし              ▲ 二合目だよん
 もうちょっとだ、締めて行こう           ▲ オンネトー側の登山口
ジンヨウイチヤクソウ ズダヤクシュ コイチヨウラン コイチヤクソウ
コフタバラン ギンリョウソウ マタタビ 青いトンボ

やれやれ、オンネトー側の登山口に出ましたよ。

キャンプ場の管理棟でトイレをお借りして、管理人さんに道を教わります。
野中温泉に帰る道は、どこから出てるんですか。
あっち行けば車道で行けるし、こっち行けば遊歩道だよ。

そうじゃなくてですね、遊歩道の入り口が知りたいんですけど。
行けばわかるよ。

適当に行ってみたら、わかった訳で ・・・

 オンネトーキャンプ場の管理棟
 オンネトー              ▲ 湖畔の涼しい道

オンネトーは、アイヌ語で年老いた沼の意。
北海道三大秘湖のひとつ。

キャンプ場からオンネトー沿いに遊歩道を進むと、まだハクサンシャクナゲが咲いていましたよ。
湖畔を闊歩するのは気持ちいいもんですね。

雌阿寒温泉の分岐を右に折れ、ユルユルと登る道です。
この道沿いには珍しい花はなく、ゴゼンタチバナさんが頑張ってました。

 木道もあるよ (きょうの最低地点)
ヤマオダマキ ハクサンシャクナゲ 雌阿寒温泉分岐
オオバタネツケバナ エゾノレイジンソウ 白い蝶 白い蝶

遊歩道もちょっとアキが来ちゃって、中間点で丸太に腰掛けて休憩。

そしたら、朝登山口で追い抜いて行ったワンちゃんがやって来たの。
彼らは同じルートでしたが、阿寒富士にも登ってきたようです。

人懐っこいワンコでね、おねだりするように擦り寄ってくるのよ。
おいちゃんがパンを、私はマドレーヌをあげた。
だけどあんたね~、一瞬で飲み込んじゃって呆気なさすぎよ。

ちょっとは味わって食べれ~  私のマドレーヌ。

 チロルという名前らしい
 静かな静かな、心落ち着く遊歩道  駐車場手前には湿地があり、大きな水芭蕉の葉っぱとワタスゲが少々
 公共駐車場に戻って来ました          ▲ 雌阿寒温泉 (野中温泉)

雌阿寒温泉(¥350 or ¥200)に入りたい気持ちもありましたが、きょうは斜里岳のベース清里のホテルを予約してあるので、そちらに向かいましょう。

またまた阿寒湖温泉、摩周温泉を通過して東へ東へ。
効率無視の無駄な走り。

 雄阿寒岳と遠く雌阿寒岳
 明日の山ゴハンを仕入れて              ▲ 斜里岳いいじゃん

ホテルの窓から正面に斜里岳が見えた。
山頂に傘雲が掛かったまま、ついに取れなかったのよ。
嫌~な予感。

このホテルは、ほとんどのお客様が団体登山客のようでした。
ホテル施設は綺麗だったのですが、お風呂も食事も団体さんと一緒です。
ワイワイガヤガヤ賑やかで、全然落ち着けなかった

せめて一泊くらいはホテルでと思って決めたので、車中泊して2万円の贅沢をしたほうがリーズナブルだってことまで頭が廻らなかった (^^;
( 考えてみれば、お風呂入って食事して寝るだけだもんね )

 ホテル 緑清荘にチェックイン
                       ▲ 怪しい雲を冠った斜里岳 (ホテルの窓から)