2016.09.03 (土)   K2Couple No.0557 

茂来山
もらいさん(長野県)
1,718m
白いトリカブトに会いたくて

コース最大標高差 : 675
コース累積標高差(+) : 760
コース累積標高差(−) : 760
コース沿面距離 : 6.8 km
行動時間 : 5'15"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です 佐久穂町大日向(旧大日向村)から見る茂来山

  6:45 = 藤岡IC/上信越道/下仁田IC = 内山峠 = 8:45 霧久保沢

 霧久保沢 8:55 ... 9:20 登山口 ... 9:30 枝沢プチ渡渉 ... 9:50 丸太橋渡る ... 10:00 とちの木コブ太郎 【L1】 10:10 ...

 10:30 大王トチノキ ... 11:20 稜線(槙沢分岐)... 11:40 茂来山 【L2】 12:25 ... 12:35 槙沢分岐 ... 13:05 大王トチノキ ...

 13:15 コブ太郎 ... 13:45 登山口 ... 14:10 霧久保沢

 霧久保沢 14:20 = 内山峠 = 下仁田IC/上信越道/藤岡IC = 16:20


   茂来山の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)



 
佐久の金字塔(ピラミッド)といわれる茂来山は、西上州十石峠付近から西へ伸びた稜線上にあり、佐久市周辺から千曲川の上流にひときわ
 目立つ姿を見せ、地元では知られた山である。
 頂上には浩宮様の登山記念碑、古い石宮、「茂来山を愛する会」建立の新しい石宮がある。
 地味な山だが展望は360度で八ケ岳と対し、北ア、南ア、浅間山、西上州の山々を望むことができる。
 北麓の佐久穂町は昔の大日向村で、戦前から戦中にかけて一村をあげて満州へ移民し、敗戦により筆舌に尽くしがたい苦難を被った歴史があ
 る。

                                               上毛新聞社『群馬の山歩き130選』より



 茂来山に白いトリカブトが咲くの知ったのは、9年前のことです。
 そんな訳で茂来山に登るのは秋と決めていたのに 何故か翌年のまだ春浅い残雪期に登ってしまった (^^; 
【REPO】

 その後トリカブトの時期になるといつも気になっていたのに、なかなか行く機会に恵まれず。
 高熱地獄から復活したおいちゃんに気分転換のつもりで誘ってみたら、ぶらぶらと行ってみようかと快諾
 いそいそと出掛けたのであります (^^

朝起きると思ったよりも良い天気で、薄日が漏れるほどでしたよ。
何気に心浮かれて長野に向かいます。

ところが、内山峠の群馬側は霧雨の舞う生憎の空模様です。
茂来山と同じ山域なので、心もどんより〜。

しかし、内山トンネルを抜けてコスモス街道に出るとまさかの青空。
町は晴れてるけど、周囲の山には雲がかかりスッキリしません。
でも、きょうは白いトリカブトが見れればいいのだ。

 雨の中、内山峠へ
 内山のコスモス街道      ▲ 佐久市内、百日紅街道 (勝手に命名)
                               ▲ 晴れているのに、浅間山ボンヤリですね

登山口に至る林道が、昔の記憶より全然掘れて荒れていた。
車を壊したくないので、1キロ手前の橋付近から歩こうと準備を始める。

そこにどう見ても我車より車高の低いワンボックス車が現れて、迷わず突き進んで行ったよ。suge〜
その車が帰って来なかったので、安心してうちも後を追うことにしました
っと、途中で前車が立ち往生してて、5人降りて車を押してたって訳 (^^;

で〜時間は要しましたが、何とか駐車場まで入れた。(普通車にはハード)
前車は中野市から来られた6人partyで、とっても賑やか。
寂しい山だろうと覚悟をしていましたが、お仲間さんがいて良かった (^^

 霧久保沢コースの駐車場
ママコノシリヌグイ ボタンヅル(実) クサフジ オオハンゴンソウ
ヒメジョオン アカマンマ (イヌタデ) キツネノボタン ツユクサ
ユウガギク アカツメクサ ミヤマタムラソウ 巣箱
 霧久保沢コース登山口まで500M         ▲ 霧久保橋を渡って林道を辿る

6人partyが準備してる間に出発しますね。

最初はゲートを潜って、広い林道を歩くことになります。
林道分岐を右折して霧久保橋を渡ると、駐車場までの悪路は何だったんというほど綺麗に整備された林道に戸惑う。

こっちはどうでもいいけど、駐車場までの道を整備して欲しいな〜。
勝手な要望ですけど (^^;

 ルンルン林道

道端に咲く花を見つけては写真を撮っているので、間もなく彼等に追い越されてしまいました。

それでも私たち以外に人がいるのは、何だか嬉しい
クマ出没注意だしね (^^
初めて登ったときには、誰もいなかったので。

 お仲間さんが先行する
ヤマハッカ ヤブマメ キバナアキギリ ミズヒキ
コウシンヤマハッカ 同左アップ アキノキリンソウ タケニグサ メドハギ
ナガミノツルケマン キオン ホタルブクロ ゲンノショウコ ツリフネソウ
フシグロセンノウ オタカラコウ ナンテンハギ ヤブマメ ススキ

登山口です。
明るく切り開かれた林道歩きは終わり、何気に鬱蒼とした感じの山道に入るんですね。

標識には、山頂まで2KMとあります。
近いです。
登山口から山頂までの標高差は600m。

 登山道に入ります              ▲ 山頂まで2Km

少し進むと、茂来山に突き上げる沢の渡渉地点です。
きょうは結構水量が多く、チャポチャポ石伝いに渡りました。
沢の音が結構大きい。

幅が2メートル近い登山道がしばらく続きますので、散策路ちっく。
手入れが行き届き歩き易い。
栃の巨木「コブ太郎」までは、観光道路扱いなんでしょうかね。

 ジャブジャブ渡渉点
 沢沿いコースは爽やか気分           森林浴 して行きな

緑の森の中で、枝沢を何度か渡って徐々に高度を上げて行きます。

ブナやトチノキの自然林に囲まれ、「鬱蒼とした森」発言は撤回。
明るく開放的な空間が広がる。

気持ち良し。

 最後の丸太橋

丸太橋を渡って廻り込むと、念願の白いトリカブトが現れました
群生しています。

ここはまだまだ序の口で、このあとも稜線まで延々と咲いていましたよ。
ありすぎよね (^^;

緩やかな登りを楽しめる初心者コースです

 白いトリカブト登場

 グリーンシャワーを浴びまして         ▲ キノコや苔も仲間にしちゃおう

ほどなくコブ太郎の分岐に出たので、ちょっと寄り道しましょう。
我が隊は2回目なので、関心感動は押さえ気味にして見上げます (^^
立派な巨木です。

この付近にも、白いトリカブトがいっぱい咲いていました。
きょうはトリカブトが目的なので、帰りたい人はこれで帰ってもいいよ。
・・・ 全員山頂に行くようです (^^;

 「コブ太郎」の休憩所です              ▲ ふむふむ

山里では昔から木の実を食料の足しにしてきました。
その頃は、田も畑も少なく、年によっては寒い夏や長雨の年も度々あり、穀物の収穫が少ないときが多く、木の実は大切な食料でした。
木の実は、くり・とちのみ・くるみなどです。

そんなことから、茂来山の森でも実のなる木は大切にされてきました。
明治時代を迎え、国の管理する国有林になってからも、実のなる木は残すように努めました。
炭焼きや木材として伐採するときも、とちの木は伐らずに残されてきました。
その中の一本がとちの木「コブ太郎」です。

では、気合を入れて山頂をめざします。
コブ太郎地点は、距離的には2/3ですが標高的には半分も来てないし。

 茂来山 コブ太郎の講釈
 コブ太郎の白いトリカブト            ▲ 紫のトリカブトもあるよ

座るのにちょうど良いサイコロ岩で、おやつ休憩中のこと。
うしろの沢の方でガラガラと石の転がる音がしたの。
「鳥か?」とおいちゃんの咄嗟の出任せ
一瞬上を見上げたけど、鳥はあんな音をさせないでしょよ、あんた。

私は猿かな?と思ったのですが、アッと言う間もなく沢沿いを走り下る鹿らしき動物が見えたのだ。
お尻が茶色だったのでカモシカでしょうかね。
このところ、鹿のお尻ばかり見てるな〜。

 まるで注文したような休憩石で          ▲ 白いトリカブト群生地を行く

あれは鳥でも猿でもクマでもなく、鹿の類だなって二人の意見が一致。
しばらく、この話題で時を忘れて歩きます。

炭焼きの窯があった。
何でこんな上まで来て炭焼きするのか、またもめる (^^;
どっちにしても、先人は苦労もいとわず偉かった。

 炭焼きしてる時代があった

コブ太郎から20分ほどで、またしても大きなとちの木が。
標識は無くなっていましたが、確か「大王トチノ木」だったと記憶がある。

コブ太郎よりでっかい。
言うなれば、森の超巨人的存在。
樹齢250年以上だなきっと。

 大王トチノ木とコミュニケーション               ▲ 同左 遠望

超巨人の木を過ぎると、急登が始まりますね。
茂来山の肩(槙沢分岐)までの250mを、ジグザグに登る。
本日の核心かな (^^

 急登が始まる
 クサソテツの道、石ころには苔            ▲ この倒木で息切れ休憩
キツリフネ トリカブト シロバナトリカブト ミゾホウズキ
シラネセンキュウ クロトウヒレン カニコウモリ サラシナショウマ
レイジンソウ ルイヨウボタン(実) キノコの森

急登だけでなく石ゴロ交じりの道になり きょうは濡れていて滑るのですよ。
一歩一歩気をつけながら登ります。
それにしても、これだけトリカブトがあちこちに咲いてる山は珍しいですよ。

例の6人衆に追いつき、一緒に花の写真を撮って親交を深める。
トリカブトに似てるけど、これは何ていう花ですか?
レイジンソウっていうんですよ。

いろいろ教えてあげて、ちょっと嬉しいはらっぱでした。

 石がゴロゴロ
 歩きやすい道になった            槙沢コースと合流です
 山頂まではそこそこの登り          ▲ 転んでるんじゃありません
 白樺ちっくで雰囲気変わった         ▲ 最後の登りは大胆に行こう
タカネママコナ ハナイカリ ムシカリ (実) オクモミジハグマ

槙沢分岐から、僅かな遊び登りで山頂ですよ。
空が大きく開けて気持ちが良い。
しかも青空

6人衆は山頂から東に一段下がった木陰で、ランチに取り掛かっています。
皆んなで食べる山ゴハンは美味しいのよね。

 柔軟性に欠ける飛行機ポーズだよね           ▲ 山頂の小道具は立派

山頂からは正面に八ヶ岳、甲斐駒、北岳。
そして、瑞牆山、金峰山、両神山、榛名山、鼻曲山、浅間山。
ほぼ360゜のパノラマです。
運が良ければ北アルプスまで。

と言うのは見通しの良いときの話で ・・・
きょうの展望は、10%程度の出来でしょうかね、残念。
見えなくても一応山座同定して、見えてる気分になってる訳で。

 見えてなくても仮想山座同定するはらっぱ

晴れてるのに見えないなんてね

八ヶ岳には雲がかかり、それらしい山裾だけ。
浅間山は何とか山頂が出てました。
金峰山方面には知らない山が見えていましたが、帰ってからkashmirで調べたら天狗山から男山の稜線だった。

 遠く浅間山
 佐久穂町            ▲ 南方のシルエット
ワレモコウ カワラナデシコ オンタデ アザミ
アキノキリンソウ オオヤマフスマ オトギリソウ アキアカネ

我が隊も一段下がった広場の木陰で、丸太に腰掛けてランチにします。
展望こそないけれど、静かで寛げる場所だった。

山頂には、アキアカネやヒョウモンチョウがサワサワと飛び交っていました。
コンデジで接写しても逃げないトンボさん。
トンボさんと仲良しになって、45分もだらけてしまいました (^^
この間、山頂で若い人の声がしてましたがすぐに下山したようです。

 ワレモコウにアキアカネ           ▲ 山頂にてのんびりランチ

6人衆のランチは、和やかに進行しているようでした。
花の名前の話題になり、おばさんに教えてもらった ・・・ と言ってる男性。
しかもレイジンソウという名前を覚えてるのが凄い。

あのねぇ、おばさんかい私
でも、お婆さんって言われなくて良かったぜ。

私たちは一足先に帰りましょう。
再び山頂に挨拶して、お爺ちゃんとお婆ちゃんは山を下りるのでした (^^;

 また来るかもしれませんけど

下りは石車に乗らないように。
濡れた石や根っこで滑らないように、気をつけて慎重に下りろよ。
へ〜い親分、言われなくてもわかってますって。

どたっ ん?転んだ音だ。
前を歩いていた親分が、滑って転んでるのが見えた。
左手の肘を擦りむいて仰向けになってるし。
あんたも気い付けなあかんよ。
へ〜い
 
 やっほ〜 転ばないもんね
 下りは楽チン           ▲ だけど、足元注意ね

アッという間に大王トチノ木に戻って来ました。
ここまで下ればあとはルンルン。
まだ1時頃だけど、やけに暗く夕方みたいだった。

沢の音が聞こえるようになると広い林道歩きです。
誰にも会いませんね。

 大王様でプチ休憩        ▲ 栃の木の実を剥くと可愛い模様が
 苔むした岩が静けさを誘う            ▲ 楽勝ハイキングコース

あれれ、渡渉地点に3本の丸太が渡してある。
往きにはなかったけど、誰の仕業だろうか。

丸太歩きは不安定でやばいよ。
と言いつつも、フラフラしながら渡るおいちゃん。

 バランスとれねっ
 釣り人発見               ▲ 車止めゲート

林道まで下りて霧久保橋を渡る。
駐車場に近い沢の中で、釣りを楽しんでる人♂2がいました。

こんな流れの急な場所に魚がいるのかしら。
駐車場に帰ってみると、火を起してる人がいたの。

そこへ20cm位の魚を3匹ぶら下げて、釣り人が戻って来た。
すかさず職務質問に走る野次馬はらっぱ (^^
天然のイワナが釣れるのだそうです。
さぞ美味しいことでしょうね。

ちょうど駐車場から出るときに、6人衆が戻ってきて手を振って別れました。

 駐車場に帰還

山もピストンなら帰りの車もピストン。
内山峠を通ります。
コスモスが綺麗に咲き揃っていましたよ。

群馬も予報より良い天気だったらしく晴れ間がありました。
登山口20℃、高崎32℃。
やっぱし群馬は暑さが売りです。

                      ▲ R254 内山コスモス街道は初秋の趣き