2016.08.14~15 (日月)   K2Couple No.0555 

甲武信ヶ岳 
こぶしがたけ(山梨県・埼玉県・長野県)
2,475m
   甲武信ヶ岳 2475 三宝山 2484 大山 2225
時期を外せば、最高に静かな山だった

コース最大標高差 : 1,020 1日目 2日目
コース累積標高差(+) : 1,700 1,220 480
コース累積標高差(-) : 1,700 320 1,380
コース沿面距離 : 18.1 km 8.8 km 9.3 km
行動時間 : 13'00" 6'05" 6'55"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  千曲川源流、瀬音だけの世界
 ■ 5:25 = 藤岡IC/上信越道/下仁田IC = 内山峠 = 7:55 毛木平
 毛木平 8:25 ... 10:30 滑滝 【L1】 10:55 ... 12:15 水源地標 12:30 ... 13:00 稜線分岐 13:05 ... 13:30 甲武信ヶ岳 【L2】 14:15 ...
 14:30 甲武信小屋(泊)

 甲武信小屋 5:35 ... 5:55 甲武信ヶ岳 6:05 ... 6:50 三宝山(三宝岩に戻る)7:10 ... 7:55 尻岩 ... 8:20 武信白岩山 ...

 9:40 大山 【L】 10:05 ... 10:40 十文字小屋(峠)11:00 ... 11:20 八丁坂の頭 ... 12:15 千曲川源流挟霧橋 ... 12:30 毛木平
 毛木平 12:45 = 内山峠 = 16:00

   甲武信ヶ岳の場所
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)


 山の形は遠望して際立って特徴があるわけではないが、三国に跨っているということは、連嶺上の突起にすぎない単純な山よりも、姿態が
 複雑である。
 甲武信岳から、千曲川、荒川、笛吹川、三つの川の源流が出ている。
 その点から言っても、甲武信は奥秩父のへソと言いたい山である。
 甲州、武州、信州から、その川の源を深く探って行くと、どちらからもこの山の頂上に出る、というのもおもしろいではないか。
 頂上に降った一滴は、千曲川に落ちて信濃川となり日本海に入る。
 他の一滴は荒川に落ちて大東京を貫流し東京湾に注ぐ。
 更に次の一滴は笛吹川に落ちて富士川となり太平洋のものとなる。

 小暮理太郎さんの本を見ると、信州側の麓梓山では甲武信岳をもと三方山と呼んでいた。
 甲武信岳の名が流布するようになってから、その三方山は三宝山と字を改めて、北隣の山に移されたという。
 三宝山は一等三角点がおかれただけあって眺望がよい。
 梓山から十文字峠に至り、それから三宝山を越えて甲武信岳への道がついている。

                                              深田久弥『日本百名山』より抜粋


甲武信小屋 (¥9,100)


 お盆休みは、例えば北アのような本格的な夏山に登りたいものである。
 ところが旺盛な気持ちに身体がついていけない現実も、痛いほどわかってるし ・・・
 相変わらず不安定な気象状況でやや天気に難があるのを言い訳に、一向に行先が決まりません。
 早く探さないと短いお盆休みが終わっちゃうよ。
 行程が楽で人が少なくて絶景の展望が広がる北ア級の山が、何処かに転がってないかなあ

それよりも何よりも ・・・
盆前に続いた猛暑のため二人共お疲れ気味で、北アなんか絶対無理だ。
次善の候補ということで、未踏の百名山甲武信ヶ岳が浮上しました。

小屋にすると、空いていますから是非お越しくださいとのこと。
曇り空/ときどき雷ですが、決定

川上村へは、いつもの内山峠ルートです (^^
高原野菜の収穫作業を目にしながら、超開放的な道路をトロトロ走ります。
何度か訪問した小川山の廻り目平への道を分けて、どん詰まりまで。

 R254 荒船山艫岩

 川上村 高原野菜畑

           ▲ 畑を潤すスプリンクラー

川上村梓山毛木平の駐車場は五割未満の入りですが、すでに皆さん出発されています。

ちょうど登山届けを管理してる方がいまして、情報をいただきます。
登山届けは必須、「WEBからの提出」 がお勧めだよとのこと (^^
Compass ← オススメ

きょうは、ペーパーの登山届けを渡して出発します。

 毛木平駐車場
 トイレ棟と東屋             ▲ 登山口情報掲示板

イケマ キオン ミヤマモジズリ ミヤマモジズリ オトギリソウ

毛木平から、明るく穏やかな道が西沢に沿って伸びている。
車も通れる広い道です。
(一般車両は進入禁止)

林道に入ってすぐに、古の石像と案内板が建っている。
十文字峠(江戸道)に向かう旧道の分岐のようだった。
分岐の先に車が2台停まっている。
山小屋の関係者かな。

間もなく、現在使われている十文字峠への道の分岐。

 元治元年三峯山大権現 石像
 十文字峠に至る新道の分岐       ▲ 同左 周回してここに出てくる予定だよん

林道をブラブラしていると、マルバダケブキの群生に目を奪われます
ここもいっぱいだし、あっちにも黄色ラッシュ。

ゴミのように小さな路傍の花も愛おしいよ。
それをいちいち、しゃがみ込んではカメラに収めるはらっぱです (^^;
きょうはまた、特別余裕な小屋泊まりだし

 マルバタケブキの道

でも、この時期は花が少なくて寂しいですね。
この源流の道は日差しも少なくジメってるので、全然咲いてませんがね

ず~っと樹林帯の登りなので展望はありませんが、暑いこの時期だもの木陰の道は有難いです。

大山祗神社で二拝二拍手 (^^
そのあと 何かの慰霊碑を通過します。

 千曲川源流まで4km
 サラサラサラ             ▲ 大山祗神社参拝
 ドボドボ小滝              ▲ 慰霊碑スルー
マルバダケブキ キツリフネ ノリウツギ ヤマホタルブクロ
ヤブマメ アキノキリンソウ キンミズヒキ ノコンギク ハナイカリ
ヤマオダマキ トリカブト タマガワホトトギス ミヤマイワニガナ カイタカラコウ

沢の音は、大きくなったり小さくなったりする。
それは流れ落ちる段差の大きさによることもあるし、登山道が沢から離れたり高捲いたりするせいもある。

自然林と苔の美しい調和に溶け込み、源流SOUNDの調べに乗って歩く

なにやら水平道と錯覚してしまいそうですが、2200mの源頭まで西沢を遡るのでありますからそれなりの標高差があります。

 ときには高捲いて
                静かな沢の流れとしっとりした苔の広がりに心癒され
リョウブ バイケイソウ ホソエノアザミ イワアカバナ
クロクモソウ ズダヤクシュ

早々と下ってくる人とすれ違います。
小屋に泊まった人だったり、早朝に登ってピストンの人だったりします。

丸太に腰掛けて休憩中、鳥がおかしな鳴き方をしたので目をやると。
焦げ茶色の塊が、斜面を駆け上がって行ったのよ。
黒装束ではなかったので、鹿だったのかしら?

クマ出没中の警告にクマ鈴携帯のビビリ隊が、ビビリました

 ときには高捲いて
 緩いけど登りが続くよ何処までも          ▲ 木の梯子を登って滑滝に出る

沢沿いを緩やかに登り、ようやくナメ滝に着きました。
ここは気持ちの良い場所なので、ゆっくり休憩しますね食事も簡単に

吹く風も漂う空気も目に入る景色も涼しいよね。
水流にキュウリとトマトとペットボトルを漬けて冷やしますよ。

いや~やっぱり、冷たい野菜は超美味だった。

 ナメ滝の偵察に出るはらっぱ             ▲ ナメ滝をあとにします

 源流まであと *km表示が丁寧に              ▲ 初めて右岸に渡る
 クロトウヒレンとアキノキリンソウ           ▲ 沢が細くなってきたみたい

自然林の美しい沢沿いを更に登って行く。
だんだん沢幅が狭くなり水流が細くなって、苔むした沢床になる。

間もなく日本最長の大河信濃川の源流に辿り着こうとしている。
ここに笹舟を浮かべたら、どれくらいかかって日本海に着くのだろう。
ちょっと感動ですね。

 苔むした岩の優しさ             ▲ 千曲川源頭に大手

ついに千曲川(信濃川)の源流に着きました。
猛暑のせいか、コップがある源頭からはポタとも流れていません (^^;

おいちゃんはコップに水を汲んできて、最初の一滴を偽装工作してました。
やりたい放題。
やめなよ (^^

こことは別の少し下の方から、伏流水がブクブクと湧き出ていましたよ。

 千曲川信濃川水源地標         ▲ おいちゃんによる最初の一滴

千曲川源流という詩も生まれそうなエリアを離れ、奥秩父縦走路(国師・金峰山へ)に上ります。

きょうの、ちゃんとした登りはここだけですけど (^^; 今までの西沢沿いの標高差700m超のダメージがボディーブローのように効いてきますね。

稜線に出たら、いよいよ奥秩父縦走路を辿り山頂をめざします。
気分変われば元気も出るさ。

 稜線上の分岐
 最後の登りです           ▲ ガレ地から山頂を眺めて

稜線の道はたまに石楠花のトンネルだったりして、歩き易いです。
途中で右側の開けた場所に出ると、山頂がすぐ目の前にありました。

あと少し頑張ると山頂ですよ。
岩に岩を重ねる道になると、青い空と茶色い岩の間に山頂が近い気配。
思ってたより天気が良い。

おいちゃんが先に行き、私はゆっくり。

 待ってる人           ▲ こんなに良い天気なのかい
 ヘコヘコ               ▲ 待たせてる人

山頂だ~い。
山小屋に行くにはまだ早いので、ここでゆっくり時間を潰しましょう。

青空が見える割に展望はイマイチ。
晴れてるのに雲が多く、時々雲が切れて大きな国師ヶ岳の奥に金峰山が見えるだけ。
金峰山は五丈岩があるのでわかりやすい。

 立派な山頂標識で             ▲ 山頂三叉路の分岐
 国師ヶ岳への縦走路                ▲ 金峰山

いつまで眺めても状況は改善しないので、小屋に下りましょう。
そろそろ時間も良いしね (^^
早く小屋に入って寝よっ。

正面の木賊山が、バカにデカく見える。
小屋までの石ゴロの道が思ったより長かった。
山頂から小屋まで、100m超の下りだ。

 明日のルート、三宝山と三宝岩                ▲ ダッシュ
                           ▲ 木賊山を正面に甲武信小屋に下る

小屋は営業してるのかと疑われるほど、ひっそりしてた

テン場もたった3張で少なかったけど、このあと2張増えた様子。
小屋の周りを散策しましたが、花は全部鹿に食べられてしまったらしい。
以前の記録にあったヤナギランの群生地は、跡形もなかった訳で。

咲いてたのはトリカブト。
これは鹿が食べないのか多かったです。
まだ咲き始めでほとんどが蕾だったけど。

 こんにちは~
 玄関のこいのぼりが嬉しい             ▲ 誰かいませんか~
 山の駅              ▲ 荒川水源の碑
ヤマハハコ ウラジロナナカマド ミヤマニンジン トリカブト アカバナ(蕾)

 4人で仲良くカレー大会             ▲ デザートのスイカ

受付をして、他にやることもないので布団でゴロゴロ。
泊り客はたったの4人なので、布団は敷き放題掛け放題寝放題 (^^

夕食はいつもカレーらしい。
きょうは人数少なく、特別サービスがありました。
豚肉とピーマンのソテーやじゃが芋の煮物、大根葉の炒め物、そしてデザートにすいかまで出していただいたの (^^

時期外れに来ると、いいことがあるのね
このあと、素泊まりのカップルさんが到着。

 二人の布団もシッカリ別居

山に登り始めた頃から甲武信ヶ岳は石楠花の咲く時期と決めていたのですが、いざその時期になると大混雑が嫌で何気に二の足を踏んでいた。
寝間の壁には布団の番号が貼ってあり、1枚がABと仕切られていた

この日は徳さんも不在で、お姉さん(ごっちゃん)一人で切り盛り中です。
食後はすることもなく、みんな早々と布団に入ったのでした。

さすがに2,360mにある小屋の夜は肌寒く、毛布と布団を掛けて寝ました。
トイレは水洗で綺麗だった。

 2Fの寝間で (広すぎてバラバラ)

2日目に続く