2021.10.02 (土)   K2Couple No.0726 

一切経山
いっさいきょうやま(福島県)
1,950m
風に吹かれて魔女の瞳

コース最大標高差 : 375
コース累積標高差(+) : 420
コース累積標高差(−) : 420
コース距離 : 8.1 km
行動時間 : 6'10"

* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です

 11年ぶりに逢いに来ました 魔女の瞳

  21:45 = 伊勢崎IC/北関東道・東北道 0:45 安達太良SA仮眠 5:15 /二本松IC = 岳温泉 = 5:45 道の駅つちゆ 【BF】 6:20 =

 7:20 浄土平有料P

 浄土平有料P 8:10 ... 8:25 分岐 ... 9:25 姥ヶ原分岐 9:30 ... 9:40 鎌沼ベンチ 9:50 ... 10:30 一切経山取付分岐 ...

 10:35 酸ガ平避難小屋(トイレ渋滞)10:50 ... 11:50 一切経山 12:05 ... 12:35 休憩適地 【L】 12:50 ... 13:10 一切経山取付分岐 ...
 14:00 分岐 ... 14:20 浄土平有料P

 浄土平有料P14:35 = 岳温泉 = 本宮IC/東北道・北関東道/駒形IC = 18:50



 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)

                         一切経山の場所


お昼休みに帰宅したおいちゃんが、突然のプランを通告してきた。
きょう仕事が終わったらなるべく早く帰って、福島に遠征するらしい。
ちょっとテンパった私だけど、反対する理由も特にないので

そのプランとは ...
明日は一切経山に登って、その翌日に安達太良山をRW ピストンする。
今夜は安達太良SAで車中泊して、明晩は岳温泉でしけ込むつもりらしい。

二泊二日用の荷物をばっちり準備して、おいちゃんの帰りを待つ。
そして、pm10前に家を出た。

 4Hほどの仮眠ののち、安達太良SAをam5過ぎに出発

台風一過の晴天に期待したいところだが。
16号の動きが鈍くその余波が気掛かりだったけど、雨の心配はないと言う。
強風のために「C」判定の「てんくら」予想も、折り込み済みな訳で。
そんなに折り込んで大丈夫なん?

安達太良SAの夜明けは青空も見えたが。
内陸に入るほど、山に近づくほど雲の勢いに圧倒され始めるおいちゃん。
南の空に青空が見えることだけが、唯一の希望か。
あの空が吾妻に来るのは昼頃かな。

 福島のお米もそろそろ刈り入れどき
                  ▲ モルゲンロートちっくに染まる安達太良連峰 (朝焼けは雨の予兆か)

二本松ICから岳温泉を経由して、道の駅「つちゆ」で朝ご飯にする。
安達太良SAは混雑して落ち着かないので、ここまで来た。
静かなことこの上ない道の駅で大正解。

雲の動きが早く、雲間から地上に幾筋もの薄明光線が射し込んでいた。
虹と同じように、幸せを呼ぶ天使の梯子だ
きょうは、きっと良いことがあるに違いない。

幸せなおいちゃんは、スカイラインに入ると間もなく雨が降って来た
急転直下、不幸せな人になる

 道の駅つちゆにて、朝食タイム
 霧の磐梯吾妻スカイラインをゆるゆる走る      ▲ ガスばかりでなくところにより雨の洗礼
                       ▲ 雨でも霧でも吾妻スカイラインは紅葉の名所だし

 早朝の駐車場はスカスカの入り      ▲ 一切経山には重苦しい雲が乗ってるし

無料の兎平駐車場も念頭にあったが、トイレのことを考えて浄土平にした。
雨は上がっていても、太陽がないので は掛からなかった (^^

暫く天気待ちの時間を過ごす。
行かない方角は青空なのに、行きたい山の上は雲とガスが居座っている。
安達太良方面は明るい。

浄土平の木道散策路をブラついて花探しのはらっぱ。
この時期に花は殆どなく、シラタマノキやナナカマド、ヤマハハコばっか。

 浄土平散策路で小1時間ばかり時間調整
アカツメクサ シラタマノキ ゴマナ

時間を持て余して、ゆっくりスタートすることにした。
肌寒いので準冬装備。
気温は12℃だが、冷たい風が容赦ない。

福島まで来たからには、雨が降ろうが槍が降ろうが帰る訳にはいかない。
山が噴火したらダッシュで逃げるけどね  御嶽山のこともあるし。

ここ一切経山でも、噴火警戒レベルが引き上げられた3年前の秋から入山禁止になっていたが、昨年の6/10に入山規制が解除されたのです。

 東の空は明るいし、そろそろ出掛けようか

メインの木道は、工事中のため封鎖されていたので。
案内に従って、山側の一部泥濘んだ砂利道に入る。

低灌木の紅葉越しに見る一切経山は、幾分か明るくなってきたような。
前方の東吾妻山や蓬莱山には青空も。

蓬莱山の紅葉を楽しむには、陽当たりの良い午前中がいいと思い。
鎌沼散策ののちに一切経山をめざすことにする。
一切経山に特にこだわりはないけど、余力があればという程度
でも、魔女の瞳だけは覗いて来たいけどね (^^

 黒い雲が白くなってきたから期待大
 東吾妻山方面は空が青い      ▲ 最近ちょっと静かになったらしい大穴火口
                   ▲ 青空が出てきたけど風が強そうなので、一切経山は後回しにする
マイヅルソウ 何とかカエデ オヤマリンドウ
ナナカマド アカミノイヌツゲ シラタマノキ ゴゼンタチバナ
                           ▲ 陽が射せば紅葉樹もキラキラ輝く
 ほらね   ▲ 台風の雨の影響で、足元は小川状態だってば
                            ▲ 蓬莱山から振り返る一切経山
                   ▲ 蓬莱山南斜面のこの紅葉を、はらっぱに見せたくて遠征してきた
 紅葉に浮かれ過ぎると足元が危ない          ▲ 安達太良山方面(高山)
 150m登ればあとはポコポコ姥ヶ原エリアIN       ▲ 木道も敷設されて、はらっぱに優しい道
 おいちゃんもご機嫌なおちゃらけ      ▲ 少し登れば姥ヶ原十字路への分岐に出る

蓬莱山の南斜面を抜けると傾斜も緩くなり、姥ヶ原の木道エリアだ。
それほど広くはない姥ヶ原だけど、解放感が溢れる笹原です。
笹の緑の中に、真っ赤に染まった低木が点在している。

数段の木道ステップを上がった所で分岐していて。
右折すれば蒲沼への近道、分岐を直進すれば姥ヶ原十字路に至る。
分岐点付近には岩がゴロゴロしていた。

きょうは右折して鎌沼に直行。

 分岐点付近は岩ゴロで

 鎌沼へのアプローチは草紅葉一色          ▲ 紅葉の主役はチングルマと
 こちらはクロマメノキです               ▲ 凄いでしょ
               ▲ 鎌沼のとっつきに休憩ベンチがあり、速攻座っておやつ&ドリンクタイム
 鎌沼沿いの木道にはナナカマドがいっぱい         ▲ 青空も慣れっこになってきたし
                      ▲ 鎌沼全景をカメラに収めて (正面の山は前大巓)
 箒がいっぱい作れそう       ▲ 対面の山は紅葉がイマイチ冴えないね

お休みベンチで小休憩して、沼周りの木道を気まぐれに歩く。
笹に混ざって健気に生きるクロマメノキやチングルマやコケモモ達。
チングルマの大群落、花の時季は素晴らしいだろう。

山にからむガスが下りて来て、ちょっと幻想的な鎌沼風景になった。
登山者の往来は少なく、たまにスライドする単独♂さんやカップルさん
水面を渡る風の紋様が、サササ〜っと滑るように移動して行く。

 しゃがんでいる女性がいた           ▲ チングルマの枯れ穂か
クロマメノキ 真っ黒クロスケ コケモモ ナナカマド 黄葉に紅葉
 鎌沼周回道も第三コーナーに掛かって    ▲ ナナカマドは何処にでもあって、目を楽しませてくれた
 人の気配は余りない      ▲ 一切経山方面の空ははっきりしないなあ

いよいよ鎌沼から離れて酸ガ平エリアに入った模様。
木道は単線なので、所々にすれ違い用の待機線が用意されている (^^

植生は姥ヶ原と余り変わりがないように見えるが。
大きな池塘みたいな水たまりは、尾瀬の湿原を彷彿とさせるものがある。
尾瀬とはちょっと雰囲気が違うけどね。

ガスの切れた青空の下に、一切経山はスッキリ姿を見せていた
麓に酸ガ平避難小屋が小さく見える。

 鎌沼から離れて酸ガ平エリアへ
 一切経山の下に避難小屋が見えた          ▲ 避難小屋と併設のトイレ棟
 池塘みたいに見えるのが酸ガ平湿原の所以        ▲ 何気に人とのスライドが増えてきて


 紅葉の絨毯を敷き詰めたような酸ガ平の木道を進むと、一切経山の取付き分岐にとうちゃこ。
 今までのコースとは打って変わって、大勢の人の波
 秋の行楽シーズン真っ只中の今、訪れる人の多くは吾妻小富士や一切経山登山が目的なんでしょね。

 多くの人に紛れて、とりあえず酸ガ平避難小屋まで上がり、トイレ渋滞で人気の山の恐ろしさを知る。
 ¥100 チップ制のトイレは決して使い易いものではなかったけど、山中のトイレはありがたい。

                        ▲ 登山者がこんなにいるなんて聞いてないよ〜

 標高を上げるにつれて風が強まり、休憩適地をスル〜した先は吹き曝しのプチ爆風
 下りて来る人が口を揃えて言うことには、『 上は凄いよ 』 『 気を付けないとふっ飛ばされるよ 』
 我が隊は折り込み済みですから


                      ▲ 強風に抗い、party毎にまとまって山頂をめざす人たち

強い風が吹き付ける中、足元の悪い岩ゴロを避けながら登った。
おいちゃんが後ろに付いて、風によろけるはらっぱをサポートする。
「引き返してもいいよ」 と言ういたわりが、逆に登高意欲をかき立てる。

おいちゃんのカッパの音が、風に煽られてバタバタとうるさいよ。
K2隊史上最強の風だ。
後半はしっかり手をつないで、山頂の丸みに立った。

空気大感謝塔や三角点はそっちのけで、五色沼の見えるところまで急ぐ。
見えた〜良かった

 早く下りてきてみ、魔女の瞳見えてるよ
                ▲ 家形山の手前に、コバルトブルーの逆ハート形に見える五色沼(魔女の瞳)

はらっぱは、風に飛ばされて魔女の瞳に落っこちる〜と騒いでいる
お互いの写真を撮って速攻引き上げだ。
この記憶をしっかり心に刻んで。

三角点に寄るつもりだったけど、吹かれてスル〜。
空気大感謝塔の陰で風を避けて、ひと息ついておやつ休憩する。
お隣の奥様もビビリまくっていたような。

 ダークブル〜で良く見えない瞳だけど           ▲ 後回しにしてしまった山頂へ

一切経山という名前の由来は ...
平安時代の武将安倍貞任が、仏教教典の一切経を山に埋めたという伝説による
一切経とは、お釈迦様の教説とかかわる、経・律・論の三蔵その他注釈書を含む経典の総称のこと
  おまけ 1 蓬莱山とは、不老不死の薬を持つ仙人が住む山と考えられていたらしい
  おまけ 2 浄土とは、一切の煩悩やけがれを離れ、仏や菩薩が住む清浄な国土のこと

五色沼を魔女の瞳と呼ぶのは ...(福島市観光ノート)によれば
太陽光の具合で刻々と色が変化することから、「魔女の瞳」とも呼ばれています、とのこと

空気大感謝塔って ...

 空気大感謝塔の陰で     ▲ 下山に先立ち吾妻小富士を眺めるおいちゃん

 風に吹かれて行く先定まらず      ▲ 帰りも、ときどきおいちゃんにサポートされて
 吾妻小富士くっきり       ▲ 吹かれる者はロープをも掴み、おっとっと
                  ▲ 休憩適地で一休み、おやつ休憩(もうすぐだけどこの下が急なのよ)
 最後は自力で頑張る           ▲ 避難小屋が見えてきた

魅惑的な魔女の瞳を見れたし。
吹き飛ばされてつまづいて派手に転んだけども、怪我がなくて良かった。
おいちゃんが付いているのに、「大丈夫ですか」 ってすぐに駆け付けて下さった、単独の若くて優しいお兄さん ありがとう

待望の一切経参りは無事に済んだ。

分岐付近には、クロマメノキの紅葉が煌めく如く大海原の如く。
圧倒的な秋の景色を堪能します。
赤緑青白が織りなす、酸ガ平の広がりが素晴らしかった。

 はらっぱが撮っているのは ...
                   ▲ 酸ガ平一面に広がったクロマメノキの紅葉は素晴らしく、前大巓を引き立てるには充分だった

 帰りまっす           ▲ 下り出しは崩れた階段
                       ▲ 補修済みの新しい階段から吾妻小富士と高山
 小滝もあるよ           ▲ 枯尾花に吾妻小富士
 若い二人はタッタカタッタカ              ▲ マイペース維持
 一切経さん ありがとう       ▲ シラタマ街道と命名するほど咲いてた
 階段が終わると足元が悪い          ▲ 最後は安全安心な山道
マツボックリ ヤマハハコ ナナカマド オンタデ ヒメジョオン
                        ▲ 浄土平有料駐車場の背後に吾妻小富士
 一切経山もすっかり晴れた          ▲ 吾妻小富士を登る人の列
 係員が活躍していた駐車場をあとにする       ▲ スカイライン途中から磐梯山の薄い影
 安達太良の山々も晴れ上がっていた    ▲ 鬼面山下の野地温泉ホテルでは日帰り入浴NG

 今回急に思い立って一切経山に誘ったのは、2年前のTUWVOB山行の時の紅葉が脳裏に焼き付いていたことによる。
 あの時は日程の都合で不参加だったはらっぱに、蓬莱山斜面の紅葉を是非とも見せたかったからである。

 今日の業を為し終えて、山日和が約束されている明日は安達太良山に行く計画だったのですが。
 強風の一切経山で想定外の疲労感が残り、連荘で安達太良山に登るのは躊躇された。
 それに今日の様子では、明日の安達太良山の人出もハンパないだろうと思われ。
 あてにしていた岳温泉の宿も不発に終わったのをきっかけに、潔く日帰り登山ということに切り替えた。
 土日みっちり遊んだら、週明けの仕事がきつい年齢だしね (^^;
 せめて名の知れた温泉で日帰り入浴して帰るという目論みも、だんだん面倒になって来た
 下山途中の野地温泉で断られ、土湯温泉も何だか面倒で、奥岳の湯も安達太良RWまで上がるのが嫌になってきて。
 迷いに迷った末に、眠気が来ないうちにさっさと家に帰ることにした (^^