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2017.05.28 (日) | K2Couple No.0577 |
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富士山 お中道 ふじさん(山梨県・静岡県) |
2,650m | |||||||||||
水上君の消息を追って | ||||||||||||
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* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です | ▲ 富士南面を捜索するメンバー |
■ 11:30 = 藤岡IC/上信越道/下仁田IC = 内山峠 = 買出 = 14:10 野辺山駅 14:20 = 14:50 三日月山荘 | |
三日月山荘 6:00 = 長坂IC/中央道/甲府南IC = 7:50 水ヶ塚公園 8:00 = 8:10 高鉢 8:30 = 8:50 富士宮口新五合目 | |
新五合目 9:05 ... 9:30 新六合目(雲海荘)9:35 ... 9:55 旧六合目ブル道入る ... 10:10 お中道入口 10:15 ... | |
11:00 表大沢お中道標石 【L】 11:35 ... 11:45 ショートカット ... 12:25 新五合目 (情報交換) | |
新五合目 13:25 = 13:40 高鉢 13:50 = 甲府南IC/中央道/長坂IC = 15:30 買出 16:00 = 16:40 三日月山荘(泊) | |
三日月山荘 7:30 = 7:40 三分一湧水 8:55 = 9:25 平沢峠獅子岩 10:05 = 内山峠 = 下仁田IC/上信越道/藤岡IC = 12:40 ■ | |
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富士山の場所 | |||||||||||||||
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TUWVの同期である水上君行方不明の一報が入ったのは、19日の夜。 関係者を驚愕させた悲しいニュースは、遭難発生から既に8日も経っていたので、信じ難い気持ちだった。 5/11に富士宮口新五合目から、単独で富士山頂をめざしたらしい。 |
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▲ 行方不明を報じる記事 |
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遭難が確実視されたその日の午後から、富士宮署山岳遭難救助隊の捜索が始まっている。 捜索に協力する民間のメンバーも、日を追う毎に拡大した。 |
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▲ 昨年も剣ヶ峰に登っている水上 | |||||||||||||||
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5/27は恒例の赤城オフ会の予定だったが、急遽キャンセルして家を出る。 八ヶ岳の山肌に雪は薄く、春のおとずれを感じさせる。 こんなことにならなければ。 |
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▲ いつも立ち寄る野辺山駅前 | |||||||||||||||
▲ 野辺山駅前から八ヶ岳 | |||||||||||||||
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先週登った赤城山や湯の丸山から、富士山は見えなかったが。 日本を代表する山ではあるが。 |
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▲ 清里駅周辺から富士山 |
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三日月山荘に到着して、今までの経過を整理する。 なぜ夏道から西に1200mも離れた箱荒沢の上部に、最後の交信記録が残されたのか。 当日は八合目から上は強風のため、撤退した人の報告もある。 |
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▲ 三日月山荘 | |||||||||||||||
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山荘の朝は早い。 (と言うか三日月君が早いのだ ^^; ) 三日月シェフが、蓼科山頂ヒュッテで鍛えた腕を披露してくれる。 装備を積み込んで出発します。 |
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▲ 朝食メニュー | |||||||||||||||
▲ 富士山一合目 | ▲ 水ヶ塚公園p | ||||||||||||||
集合場所に行く前に、スカイライン周遊区間の水ヶ塚公園pに立ち寄る。 料金所跡地から僅かに登って(登山区間)、高鉢pでは既に前田夫妻と根岸君が待機していた。 テーブル上に地形図を広げて、行動計画の共有と確認。 |
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▲ 高鉢駐車場に集合 | |||||||||||||||
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▲ 旧高鉢駐車場から望む富士山南面 | |||||||||||||||
▲ 同駐車場からのルート図 by Kashmir3D | |||||||||||||||
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スカイライン(旧高鉢p)から、見事な富士の姿をカメラに収める。 昨年の正月、竜ヶ岳からダイアモンド富士を眺めたことがあった。 五合目の駐車場は空いていたが、それでも最上段はほぼ満車。 車中泊した水上の車は、登山口の最短位置で見つかったらしい。 |
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▲ 雲海と表富士五合目レストセンター | |||||||||||||||
▲ 富士の斜面に南アルプス聖岳 | ▲ 五合目から山頂を望む | ||||||||||||||
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五合目から仰ぎ見ると、まさに富士中腹にいることを実感させる光景。 用意した登山届けを提出するBOXは見当たらなかった。 初めて登る富士山は、何気に重苦しい雰囲気のスタート。 |
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▲ 登山口は閉鎖中で脇から入る | |||||||||||||||
▲ 富士山のガイドを確認し | ▲ ゆるゆるペースで行動開始 | ||||||||||||||
▲ わりと歩き易いような | ▲ 新六合目の山小屋の前で | ||||||||||||||
超スローペースの夏道歩きでも、30分もしないうちに新六合目。 そのまま夏道を登り、旧六合目小屋跡からロープをまたいでブル道に入る。 |
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▲ 傾斜はさほどなく | |||||||||||||||
▲ 立入禁止 | ▲ 赤ザレた道が続き | ||||||||||||||
▲ 雲海の斜面を行くメンバー | |||||||||||||||
ブル道のジグザグコーナーに、お中道入口のマーキングがあり。 急な南風が気になったため、大事をとって女性陣二人をデポ。 |
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▲ お中道入口 | ▲ かよわい 女性二人をデポ | ||||||||||||||
周辺に、雪は全くないと思っていたが。 屈強(昔は)な男5人でお中道に入る。 |
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▲ お中道入口で防風対策 | |||||||||||||||
▲ 土の下は雪の塊だった | ▲ 踏み跡を辿り | ||||||||||||||
▲ 見上げれば雪渓と溶岩塊と砂礫 | ▲ 涸れ沢の手前は尾根っぽく | ||||||||||||||
トレースはしっかり確認でき、上下に気を配りながらザレを進む。 ただ水上が上から下りて来たとしたら、殆んど見落とすと思われる程度の薄い道形である。 |
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▲ 注意深く歩を進める |
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溶岩の通り道のようなスラブというか岩盤という感じのものをいくつか横切るが、落石さえ気をつければ問題なく進める。 裸眼や双眼鏡で視認するも、近くまで行かないと確認できない状況。 |
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▲ 溶岩流に沿って岩陰も案外多い | ▲ 捜索中 | ||||||||||||||
▲ スラブ帯を乗り越え | ▲ ガスが沸いてきた | ||||||||||||||
▲ 下方も視界不良に | ▲ 弁当を食べながらガスの様子を伺う | ||||||||||||||
少しずつガスが下(南)から湧き上がって、周辺の視認は難しくなってきた。 表大沢(お中道の標石あり)と思われる幅広の窪みは砂のように細かくザレていて、傾斜も相当あるようだ。 ガスの流れも切れる気配なく、身の安全を優先して潔く撤収を決める。 |
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▲ お中道と記された標石 (丸印)があった表大沢 | |||||||||||||||
▲ 表大沢で撤退 (googlemap航空写真より) | |||||||||||||||
この地点は、水上の最終アクセスポイントが確認できる場所と思われる。 計画では執杖流れの出合まで行きたかったが、ガスには勝てない。 思わず、大声で彼の名前を叫んでいた。 |
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▲ 富士山はでかすぎる | |||||||||||||||
後日水上君の遺体が収容された場所が、表大沢の至近の岩壁下だったことを思うとき、 このとき返ってきたこだまは、まさに水上君の魂が昔の仲間に返したように思われ、それが単なる偶然だったとは今でも思いきれないでいる。 大声で水上君の名前を叫んだとき、彼はすぐ近くで眠ったまま自分の所在を知らせたかったに違いない。 (合掌) |
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▲ きょうは撤収するけど、きっとまた来るからな | |||||||||||||||
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デポ組が下ったことを で確認した上で、 ガスはますます濃くなり、踏み跡らしきものもなくなって方向を見失う。 GPSで現在位置を確認して、無事に五合目に戻る。 |
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▲ デポ組の下山風景 | |||||||||||||||
▲ 潅木帯に身を隠したら、見つけられない | ▲ おいちゃん達が変な方向から下りて来た | ||||||||||||||
▲ 登山口近くで、水上を探しに来られた親族に出会う | |||||||||||||||
山には全く縁がなかったという若い女性が、新しい登山装備に身を包んで 「おじさん」の無事を願っている姿に心打たれた。 |
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▲ テラスにて | ▲ 資料の共有化を図る | ||||||||||||||
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翌朝。 |
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▲ 朝の庭園散策 | ▲ ハルジオン | ||||||||||||||
明日皆んなで登る計画もあった茅ヶ岳が見える。 私たちは、たまに来て甘えて泊まって行きますけど。 |
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▲ 日本第二の高峰 北岳 | |||||||||||||||
▲ 鳳凰三山から甲斐駒まで | |||||||||||||||
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日本名水百選 三分一湧水 三日月山荘のすぐ上に、公園があるというので食後の散策に出る。 湧水池の仕組みに感服し、そのシステムに講釈を戦わすメンバー。 公園内をゆるゆると散歩して。 |
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▲ 説明書き | |||||||||||||||
▲ 園内の菖蒲 | ▲ 水量を三等分する仕掛け | ||||||||||||||
▲ 橋を渡り | ▲ 南八ツ (編笠山、権現岳、三ツ頭) | ||||||||||||||
▲ 公園内の朝は超爽やか | ▲ 富士山が見えました | ||||||||||||||
▲ センターハウス | ▲ 真っ赤に燃えて解散 | ||||||||||||||
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平沢峠にて 帰り道に、今回皆んなで集合する予定だった平沢峠に寄ってみる。 前田夫妻も同じ気持ちで、平沢峠に登って来た。 美しい山を正面に眺めているうちに、無性に心が痛んだ。 |
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▲ 咲き誇るズミが美しく | |||||||||||||||
▲ 八ヶ岳 | ▲ 平沢峠にて | ||||||||||||||
▲ 獅子岩で | ▲ 想いを寄せる | ||||||||||||||
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