2019.11.23 (土)   K2Couple No.0658 

烏帽子岳
えぼしだけ(長野県)
2,066m
浅間のさいはて霧の烏帽子にて

コース最大標高差 : 335
コース累積標高差(+) : 445
コース累積標高差(−) : 445
コース沿面距離 : 8.6 km
行動時間 : 4'45"
* 距離と累積標高差は GARMIN GPS data です  誰もいない烏帽子岳山頂でやりたい放題
  8:00 = 藤岡IC/上信越道/小諸IC = 9:40 地蔵峠

 地蔵峠 10:00 ... 10:20 中分岐 10:25 ... 11:05 小梨平 11:15 ... 11:50 稜線分岐 【L】 12:15 ... 12:30 小烏帽子岳 ...

 12:50 烏帽子岳 13:00 ... 13:15 小烏帽子岳 ... 13:45 小梨平 13:55 ... 14:20 中分岐 ... 14:30 キャンプ場 ... 14:45 地蔵峠

 地蔵峠 14:55 = 15:25 野菜の店 15:30 = R18碓氷バイパス = 松井田妙義IC/上信越道/藤岡IC = 17:00


 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである (経緯度線は20秒間隔)
烏帽子岳の場所



 秋の終わりを感じる肌寒さが続き、霧氷にはちょっと早いだろうけど何故か浅間烏帽子岳に行きたくなった。
 今年は台風による甚大な被害もあり、関東甲信東北地方においては特に雨台風19号の被害が凄まじかった。
 通い慣れた浅間連山の、あの登山道この山道の様子が気になる。

 車坂峠に通じるチェリーパークラインも、土砂崩落のため全線利用はできないようですが。
 幸運にも、地蔵峠には通常通り上がれるとのこと。
 
( 高峰温泉のHPによれば、11/21以降のチェリパークライン、一般車の通行もできるようになったらしい )
 上信越道も10/12以降、碓氷軽井沢IC〜佐久IC間で通行止めになっていたが、復旧工事が進み10/23に開通した。

昨日から降り続く無情な雨の中。
午後の天候回復に期待をかけて、意識的に遅い出発です。
藤岡IC近くの街路樹も色付き始めていた。

上信越道は、県境の八風山トンネルを抜けた先から交互通行になるため。
トンネル内で自然渋滞発生。
下り線が復旧工事で閉鎖され、その区間は上り線を利用しているのです。

 藤岡IC付近は紅葉中
 通行規制のため、八風山トンネル内で渋滞し        ▲ トンネルを抜けると対面通行だった

長野県に入っても細かい雨が舞い、浅間山の影さえも見えない (^^;
気温も、高崎から佐久までずっと8℃のまま。

小諸ICを降りるときには、雨が上がった。
地蔵峠の道を辿ると、烏帽子岳の尾根がガスの切れ間に見え隠れして。
青空らしき気配に嬉々とする二人。

地蔵峠に車は少なく気温は3℃ですが、霧雨の歓迎
高崎では寒い日が続いたので、勢い余って準冬装備で来たものの。
ちょっと過剰装備な感じは否めない (^^

 烏帽子方面に青空が覗いて
 ガラガラの地蔵峠からスタート           ▲ キャンプ場への道は通行禁止

キャンプ場に続く道は、舗装の下が水に抉られ崩落の危機。
安全のため通行禁止措置がとられていますが、自己責任で規制線を突破。

キャンプ場は水害の跡も生々しく、登山道は川底に沈んでいた。
近年の自然災害規模は益々深刻化し、復旧に掛ける知恵も費用もかさむ。
生活に直結する都市部においては、生きるための戦いになるだろう。
恐るべき自然の猛威。

 キャンプ場は壊れてた             ▲ 登山道は川と化し               ズレちゃってるし
 中分岐に向う落葉松林         ▲ 中分岐で先行者は鐘分岐方面へ
 お気楽な水平捲き道を            ▲ 花の残骸を探して
 富士山も八ツも見えないね〜           ▲ 烏帽子岳さえも見えない
レンゲツツジの蕾 ノリウツギ イワカガミ コケ
シラカバ ミツバオウレン ウツボグサ オヤマボクチ
 小梨平のズミ         ▲ キラキラズミのイルミネーション

小梨平にて、単独さん♂とお話してドリンク休憩にします。
ズミ(コナシ)の実に付いた水滴がキラキラして、とっても綺麗だった。
宝石箱に入れて持ち帰りたいくらい (^^

小梨平から稜線までは雨後の道が糠って、プチ田植えみたいだった。
台風のときは相当量の水が流れたのだろう、深く抉れている場所も多い。

山を歩いている中で、最近は山道の荒廃が目立つように感じる。
登山道が掘れて、岩がゴロゴロ転がってたりする。
これは全国的な傾向のようだ。

 侵食された登山道                ▲ 稜線直下
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 登山道の荒廃について  出典:大雪山国立公園連絡協議会&山守隊

大雪山の高山植物帯の土壌は、高山植物の枯れ葉などが少しずつ土になり、数千年掛かって形成されています。
高山植物の生えている所を人が歩くと、その部分の高山植物が枯れて土壌が露出します。露出した土壌は、雨や融雪水で流されます。大雨の時などでは急速に土壌が流され荒廃が進みます。

荒廃が始まる初期の状態

土壌が流された登山道は掘れて歩き難いため、特に雨の後や融雪水が流れている時では、ついつい「草や笹」の上を歩いてしまい、何本もの道が出来てしまいます。

荒廃が進んだ状態

雨水などの浸食で登山道がつながり、広い裸地になります。数年から十数年くらいの間の登山者の踏みつけで、数千年かかって形成された大切な土壌が流出し、この裸地を歩くので年々拡大していきます。

かなり荒廃が進んだ状態
登山道ができる前の地表面では、雨水は分散して流れていくため侵食が起こりにくい。

登山者の踏圧で植物帯が裸地化(踏圧侵食)。ストックの使用で侵食はより広範囲になる。

斜面を流れる水が登山道に集まり、水路となる。さらに流水で土が流される(流水侵食)。

登山者は水路となった歩きにくい登山道を避けて、脇の植物帯を歩き、侵食が広がる。
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烏帽子稜線に到達。
岩の多い稜線ですが、土の部分はやっぱり糠るんでいる。
おまけに、ガスは未だ晴れる気がないらしい。

時は正午でもあるし。
頼りない笹の陰で風除けランチをして、天候の回復を待つことにした。
小梨平から先行した単独氏は、風を突いて烏帽子岳に向ったらしい。
休憩中は、準冬装備が大いに役に立った。

しばらく様子見していたが、ガスが薄くなれば行く気になる二人。
山頂で北ア展望だ

 稜線分岐から烏帽子岳方面
 ここでランチだぜ       ▲ ガスが切れれば上田市街地が見える
                                ▲ おっガスが薄くなった
 きょうは一日ボ〜っとしてんじゃね           ▲ 小烏帽子がすぐそこに
                   ▲ 突然明るくなって、振り返れば池の平の外輪山が見えて消えた

風が強まったり弱まったり息をしていて、ガスも息をしている。
ガスの流れが速い。
小烏帽子に登るときは明るくなったが、山頂では元に戻ってしまった
360゜ガスまくり大会 (^^

烏帽子どうする?行く?
ここまで来たら、行かない選択肢はないやろ
ないやろ
昨年末の烏帽子岳は寒さに負けて撤退したけど、きょうは暖かいしね。

 岩クズを乗り越えて山頂へ             ▲ 早く登っておいでよ
 ヘコヘコ           ▲ ボ〜っとしてるおいちゃん
 烏帽子までほぼ平坦で楽チン     ▲ コマクサの辺りの砂礫がグチャグチャになってる
 またまた岩塊を乗り越えて         ▲ 立派な石門からお邪魔しま〜す
ヤマハハコ ウスユキソウ 岩に着生する地衣類

烏帽子岳山頂を踏むのは、お正月の新年登山以来2年ぶりだった。
積雪期に来ることが多いかな。
北アの絶好の展望台なのに、きょうのガスは残念。

先行した単独さんとは途中でスライドしたけど、同じ状況だったらしい。
その方も、午後の天候回復に期待して来られたらしく。
「私は帰るけど、北アが見えるまで山頂で粘ってください」って言われた。
お言葉ですが、この状況では粘る気になれないのよね

 後続のおいちゃんが、山頂にいる不思議            ▲ とりあえず山頂ゲット
 霧にまかれて佇むはらっぱ                ▲ 下山です
 遭難慰霊碑              ▲ また小烏帽子岳

小烏帽子岳には3人さん♂♂♀が登って来てました。
「烏帽子はどうでしたか」って ・・・ 訊く
「見ての通りここと全然変わりませんよ」 って答えたけど見えなかった (^^;

幾分ガスが薄くなったような気がするけど、ほぼ同じ感じの中を下山する。
展望はなかったけど楽しかったねぇ。
この山をチョイスしたおいちゃんは、楽しかったフリをずっとしていた
まあ人が少なくて、静かな山を楽しめましたけど
私も楽しかったよ〜 (^^

 小烏帽子を下り
 静かな静かな稜線        ▲ 楽しかった割には哀愁を帯びる後姿
 登山道は歩ける状態じゃなく             ▲ 滑りまくり大会
 湯の丸山が初めて姿を現した     ▲ 湯の丸山の霧氷斜面(もう少しすればだけど)
 小梨平から烏帽子岳の裾が見えた、青空も    ▲ いつか見たいミヤマシロチョウ (案内板の写真)
                 ▲ 最後の最後にご褒美が待っていました 烏帽子岳 カッチョイ〜
 満足して帰りますよ         ▲ 湯の丸様は雪が降ったら来たい
 真っ直ぐに生きる       ▲ 池塘と草紅葉だと思えば尾瀬幻想ちっく
 芸術写真に挑む         ▲ 白樺と霧と少女( 無理な構成 )
 無残なキャンプ場に戻り           ▲ また降り始めた雨に濡れて

駐車場に戻る時間がいつもより遅いので、朝より更に寂しくなっていた。
浅間サンラインから軽井沢経由、R18 碓氷バイパスを帰る。
何だか知らないけど、軽井沢を抜けるのに時間が掛かった。
天気が悪くても、軽井沢は賑やかだ。

雨の日暮れは道路が見難いので、松井田妙義ICから上信越道にする。

 ポツン
 天候は回復基調にあり             ▲ 帰りも渋滞気味